2025.7.14 暮らし
7月13日に開催された「海とともにある暮らし発見ツアー」には、すでに淡路島に移住された方や、これから移住を検討している方など、総勢20名の方々が参加。バスは満席で、朝10時半に淡路市役所に集合し、元気にツアーがスタートしました。
まずは志筑エリアを中心に、バスに乗って淡路市の暮らしを見学。市民ホールや図書館、病院、スーパーといった生活に欠かせない施設がコンパクトに集まる便利なまちの様子を紹介しました。また、淡路島ならではの光景として、牛のせりが行われる「淡路家畜市場」もバスから見学。参加者の皆さんは、実際の生活を思い描きながら、淡路市での暮らしにイメージを膨らませている様子でした。
お昼は佐野にある水産加工のプロ、仲野水産さんへ。まずは名物「しらす釜揚げ」の実演から。梅雨明けが早かった影響で、すでにしらすの漁期は終わりかけでしたが、特別に用意していただいたしらすを丁寧に干し、旨みを引き出す工程を間近で見せていただきました。
そこへサプライズで登場したのは、新鮮な鱧(はも)!締め方や捌き方、骨切りの技まで教えていただき、捌きたてを天ぷらにしていただく贅沢な体験に、皆さんの目も輝いていました。
薪を燃やしてかまどで炊いたご飯は、ふっくらつやつや。赤玉ちゃんドレッシングをかけたキャベツ、炙り鱧、わかめの佃煮、釜揚げしらすなど、海の幸がぎゅっと詰まったお膳に「おいしい!」の声が広がりました。
昼食後は、仲野さんからしらす漁のリアルなお話を伺いました。潮の流れや水温などを見極める“勘”と経験が重要で、100メートルを超える網を3隻の船で協力しながら引く様子は、まさにチームワークの賜物。しらす漁は資源保護の観点から週3回に制限されており、自然と共に働くという姿勢が印象的でした。
漁に出るのは朝2時半。漁がない日には、網の補修や準備も全て手作業で行っているそうです。「本当に良いものを届けたい」という思いで、素材も手間も一切妥協しない仲野さんの姿勢に、参加者の多くが心を動かされていました。「事故は?」「船の交通ルールは?」「どれくらい時間がかかる?」などの質問も次々と飛び交い、皆さんの関心の高さがうかがえました。
次に訪れたのは、津名漁業協同組合。組合の菱谷さんに、漁業の仕事や魚の流通について詳しく教えていただきました。夏のメインは鱧(はも)で、早朝3時から漁が始まります。港に戻るとすぐに漁協が“ふだ開け”を行い、魚の状態や種類を確認しながら市場に出していくとのこと。
船が直接漁協の建物横に横付けされ、漁師さんたちが船から大きな網で魚を水槽に移す様子を目の前で見ることができました。その光景は迫力があり、こうした生きた現場を間近に体験できるのは、まさにこのツアーならでは。
ふだ開け直後の市場では、はもやタコ、イカ、足赤エビ、そして大きなハマチやマナガツオなど、ずらりと並ぶ海の幸にも圧倒されました。海の恵みがそのままの形で流通に乗る瞬間に立ち会える、貴重な体験となりました。
最後は、島くらし淡路にて交流の時間。参加者それぞれが自己紹介し、「淡路島に移住したばかりで知り合いを作りたい」「釣りが好きで魚に興味があった」など、多様な声が聞かれました。
この場では、島くらし淡路が活動している「盆踊り部」の紹介も。夏のお祭りに向けて、みんなで練習中です。外国人の方も巻き込んで楽しく伝統を継承していて、ぜひ参加したい、という声もあり、仲間が増えて嬉しかったです。
今回のツアーでは、ただ海を眺めるだけではなく、そこで生きる人たちの姿に直接触れられる貴重な機会となりました。漁や加工、販売、そして日々の暮らしに至るまで、海のある暮らしには多くの工夫と想いが詰まっています。
「狩猟免許を取りたい」「農業にも関心がある」など、参加者の新たな挑戦の声も聞こえてきました。今後は農業をテーマにしたツアーも企画予定です。
海に関わる人々の想いが、参加者の心に届き、「自分も関わってみたい」「守りたい」と感じていただけたら嬉しいです。
またのご参加を心よりお待ちしています!