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「淡路島で『うず』を起こす人に会いに行くツアー」体験記

2026年1月17日、淡路市の東浦というエリアで、淡路島の暮らしを体感するツアーが行われた。

誰かを巻き込みながら様々な活動をしている4名のお話を伺い、淡路島で何をやりたいか最後に書き出してみるという内容。野鳥観察や会食、企業見学も盛り込まれているとのことで、どんなツアーになるのか興味が湧いて私は参加を希望した。

1人目に紹介されたのは「あわじこども未来アクション」や「淡路島ちどり隊」の活動をしているえみさん。
少し緊張していた参加者もいた中、えみさんはゆったりと笑顔で自己紹介を始め、穏やかな雰囲気で出迎えてくれた。

ツアーでは、えみさんによるちどりの観察会が浦サンビーチで行われた。

参加者それぞれに双眼鏡が貸し出され、ピントの合わせ方などの説明を受けた後、野鳥のちどりを探して砂浜を歩いた。

1月にしては暖かな晴天に恵まれ、海苔が養殖されている海を眺めながらちどりを探す。

出身地の話を聞かせてくれる人、どうして淡路島に住もうとしているのか語ってくれる人、珍しい形をした石を拾っている人など、様々な人がいた。なかには、野鳥図鑑と照らし合わせながら飛んでいる野鳥を観察している人もいた。それぞれが思い思いに時間を過ごしていた。

砂浜散策の途中、ちどりに関する説明をえみさんがしてくれた。

顔や首の黒色が濃く出ている左側のほうがオス、右側がメスの実物大模型だという。すずめぐらいの大きさの鳥を想像していたため、思いのほか大きい鳥なのだと間近で実感した。卵はうずら卵ほどの大きさで、砂浜に半分ほど埋もれていることが多いそう。もし卵を見つけたら、枝を周囲に突き立てて踏まれないような目印をつけたり、淡路島ちどり隊へ連絡するなどの対応を可能な範囲でとってほしいとのことだった。

その後、なかなか砂浜を歩き続けてもちどりは見つからず、貴重な鳥であることを認識させられた矢先・・・!!

 

えみさんが指さしている方向をよく見ると、いた。ちょうど河口近くの砂浜に3羽のちどりがいた!

雌雄の判別はしづらかったが、仲良く何かを探して歩き回っているように見えた。最後の最後にちどりと出会えたのはきっと、淡路島ちどり隊の方などが大切に砂浜を守り続けてくれた結果の賜物なのだろう。

 

のちにツアーで訪問するKLAFTという場所で、えみさんが淡路島ちどり隊の活動をすることになった経緯を教えてくれた。

関東で働いていたえみさんが淡路島に引っ越し、子育てをする中で、ふと気になっていたことがあった。淡路島の豊かな自然と身近に触れ合える環境にいながら、子供たちが自然とふれあうところを外であまり目にすることが無かったという。それから、えみさんは冒険の森という施設とのかかわりを深め、環境や教育にまつわる活動をおこなっていく。

そんな中、兵庫県立園芸学校で知り合った学生から、淡路市や洲本市のシンボルの鳥として制定されているちどりが絶滅危惧種であることを教わった。

ごく身近にいるはずのちどりの数が減っていることに危機感をおぼえたえみさんは、ちどりのことを教えてくれた学生に知り合いを紹介し、淡路島ちどり隊を立ち上げることとなった。ただ冒険の森の活動に参加するだけでなく、周りの人たちに呼びかけてちどりの住める砂浜を守ろうと行動を起こす。

誰かがやってくれることを待つのではない、えみさんの主体性を強く感じるエピソードだった。

2人目に紹介されたのは、東浦IYASAKA祭kunono再生プロジェクト実行委員会、地域猫活動などをしているちえさん。

ちえさんの運営している「VIORIN」という食堂を訪れた。

始めに、ちえさんの生い立ちや取り組んでいる活動、食堂のこだわりなどを教えてもらう。

深く地域に根ざして幅広く活動されている印象で、地元住民とのエピソードも多数語ってくれた。

ちえさんの自己紹介の後、他の参加者も交えて、彩り豊かな特製のお弁当をいただいた。

手始めに、ちえさんが焼きのりを目の前で炙ってくれた。板のりが手際よく炙られる様子を眺めていると、ちどり観察のときに浦サンビーチで海苔の養殖を見かけたという話が出た。そこからつながっていくちえさんのこども時代の話や漁師さんの話。

 

ちえさんは優しい雰囲気で自然と会話の中に入り込んでいき、会話を回すのが非常に上手な人だった。ちえさんが話に参加すると場がより一層和んでいき、様々な情報交換が行われた。なかには、会食の途中で活動の名刺交換をされている参加者もいた。今後の淡路島の生活に思いを馳せる人、友達が淡路島へ遊びに来た際に連れていくお店を紹介してもらっている人など、ここでも皆さん思い思いに会食を楽しんでいた。

 

また、ちえさんに感化されて移住してきたスタッフさんのお話も伺い、人の魅力がときに誰かの人生も動かす、という実例を目の当たりにした。

実際にちえさんと話したうえで聞いたスタッフさんの話。文章などで間接的に知るのとは違う、かなりの説得力を感じた。こうした人をひきつける人たちと出会える貴重な場所が、普段よく通る道のそばに実はあったのだと知ったことも、私の中では新たな発見となった。

 

3人目に紹介されたのは、東浦バスターミナル周辺の活性化を提案するきたさん


ツアーでは、きたさんの勤め先の来田材木店を訪れた。
社内のスペースを整理し、貸倉庫、シェアスペースや広い会議室も備えた工房KLAFT、バレルサウナの体験場所を整備したきたさん。普段から施主さんと友達になるくらい、人と知り合ったご縁を大切にしている。気さくな人柄と淡路弁の語り口。

新しく作られたお洒落な空間にいながら、淡路島で生まれ育った方のお話を目の前で伺っているのだと大いに実感した。

きたさんが巻き起こしているのは、東浦バスターミナル周辺の活性化。

駐車場の管理体制見直しや近くにある浦サンビーチへ行きやすくする動線の整備、建物の更新など。古くからの知り合いとともに、市へ訴えかける。比較的温暖で、住んでいる人も大らかな地元の東浦が大好きなきたさん!
熱く語るその様子から、東浦に対する地元愛があふれ出ていた。

 

自らが生まれ育った場所に帰ってきて、長年地元で働いているきたさん。
こうした根っからの地元住民の地元愛を、移住希望者や移住者が聞ける機会は珍しい。東浦にある具体的な施設名がポンポンと飛び出し、地域の特色を教えてくれる。移住希望者にとって、東浦で暮らす様子を想像するのに参考となる部分があるにちがいない!

 

参加者の多くが、ツアーの最後に改めて東浦バスターミナルに立ち寄った。
「ここがきたさんのお話に出ていた東浦バスターミナルなのか。」と再認識した参加者もいた。言われてみれば確かに、海のあるサンビーチや道の駅など、周辺施設や立地に恵まれている東浦バスターミナルは、まだまだ魅力を引き出せるポテンシャルを秘めている。予算の兼ね合いなどもあり、再開発は一筋縄ではいかないと思われる。けれども、東浦に住み、長年地元を見守り、仲間とともに声をあげる人がいてこそ、生まれ変わることのできる町の姿もある。東浦バスターミナルやその周辺の工事を見かけることがあれば、きっときたさんから聞いた話を思い出すだろう。

4人目に紹介されたのは、淡路島で地域おこし協力隊として活動しているみぎわさん。

明るく周りの人々に声をかけ、ときに親身に相談に乗ってやりたいことを叶える手助けをしてくれる人情に厚い人だ。本人は謙遜していたが、間違いなく「うず」を起こしている人だ。引っ込み思案な私を、何度も島くらし淡路さんのイベントに誘って変えてくれた張本人でもある。多くの人が助けられてきたことだろう。

 

紹介してくれた活動1つ目は、島くらし淡路としての活動。

淡路市への移住相談や、地元住民と移住者の「まぜるまざる」を意識して開催しているイベントなど、去年1年間を多くの写真とともに振り返った。

様々な形で開催した移住者交流会、淡路島の漁業を見学するガイドツアー、米作りの裏側を知り考えるフィールドワーク、草刈り機の扱い方を学ぶ講習会、盆踊りを通じた文化継承や交流を行うサークルの盆踊り部などを紹介してくれた。特に、盆踊り部ではひょんなことがきっかけとなって、外国人を巻き込んだ異文化交流も行われたことを伝えてくれた。

 

日本語が堪能ではないと言っていたアメリカ人の方が、ひとりでに盆踊りの唄を口ずさみながら踊っていたこと。観客として花火大会に参加していたベルギー人の方が、別団体のお年寄りが踊る盆踊りを見て、自分も立ち上がり踊りだしたこと。日本文化を体験したいという夢を叶えてくれたお礼として、外国人の方々からサプライズプレゼントをもらったこと。また、自分たちの国や次の目的地へ向かう外国人の方の送別会を行ったことなどが取り上げられた。

 

私も盆踊り部の活動に途中から参加し、多くのことを学ばせてもらった。送別会ではみぎわさんがメンバーの書いた色紙とともに、思い出の写真を詰め込んだアルバムを旅立つ一人一人に手作りして手渡すサプライズプレゼントをし、受け取った人が皆涙ぐんでいたことを思い出した。やってもらったことに対して感謝の意を表し、お互いに感謝を受け取り伝え合う素敵な関係が、これからもどこかで連鎖していくことを私も願っている。

 

 

紹介してくれた活動2つ目は、自身の住むエリアのお年寄りとの交流。

お年寄りの人が孤立しないよう、月に1度活動があるそうだ。自身の毎月の楽しみでもあると語っていた。90歳代の方など、普段なかなか話す機会のない人生の先輩の話を聞くことが、とても刺激になっているという。スクリーンに写真を映し出し、稲わらを使ったしめ縄作りをしている様子が紹介された。人生の先輩を尊重し、周りの人々も支えて楽しむというかかわり方の一端を、写真で垣間見させてもらった。きっと様々な経験や時代の出来事が、交流の中で語り継がれているのだろう。

 

ツアーの終わりには、淡路島でどんなことをやってみたいか、どんなことにかかわりたいかを参加者それぞれが書き出すワークがあった。

✔すでにやりたいことが決まっている人
✔今回のツアーをきっかけに何かに興味を持った人
✔要望を出す人など

書き出された内容を読んでみると、どれもわくわくするものばかり。

ツアーでは訪れる場所や順番など、随所に工夫がなされていた。そのおかげもあって、参加者どうしで遊びに行く約束をしている人がいたり、住民おすすめの店を紹介してもらっている人がいたりと、様々な交流が生まれていた。どこかで実際に実現する日がとても楽しみだ。

今回のツアーの中では4名の「うず」を起こす人が紹介され、島の人たちの魅力を体感した。

普段の私であれば、こうしたすごい人たちと自分のギャップを感じて委縮していただろう。しかし、今回のツアーで紹介された4名や参加者は、活動の取り組み方や携わり方が実に多様だった。そして、とても生き生きとしていた。わざわざ他人と自分を比べる必要もなければ、そんな比較などどうでもいいと思えるほど、ツアーを通して非常に内容の濃い時間を過ごした。私も自分なりのやり方を模索し、周りの人と何かできないか考えを深める貴重な機会となった。

また、後日参加した別の地域のお祭りで、偶然再会した参加者もいた。知り合いがいない状態から始まった私の淡路島生活で、新しく知り合いができた。こうした人の繋がりを感じられたこともまた、大きな財産となっている。

 

☆「あわじこども未来アクション」や「淡路島ちどり隊」の活動をしているえみさん

☆東浦IYASAKA祭やkunono再生プロジェクト実行委員会、地域猫活動などをしているちえさん

☆東浦バスターミナル周辺の活性化を提案するきたさん

☆淡路市地域おこし協力隊として活動するみぎわさん

この記事を読んで気になる人がいたら、あなたも実際にぜひ会いに行ってほしい。

 

最後に、淡路島で「うず」を起こす人に会いに行くツアーという素敵なイベントを企画して実行してくださった堀内さんをはじめ、協力してくださった皆さま、参加して交流してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
拙いこの記事を読んでくださったあなたにも感謝を申し上げます。

 

この記事を書いた人
いしだ

2016年に新卒で淡路島に移住。せっかく淡路島に住んでいるのに、島での生活を楽しみ尽くせていない!と感じていた矢先、2025年5月に淡路市の公式LINEで島くらし淡路さんの移住者交流会のイベントを知りました。それからというもの、島くらし淡路さんにお世話になりまくっております。淡路島で知り合った方々との交流を、これからも楽しんでいきたいです。

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