島くらし淡路

           

島と都会を行き来してはたらく vol.4
島の恵みをゆっくりとした時間と共に味わえる場所を

大阪や神戸に店舗や職場がありながら、淡路市に住まいや拠点を持つという、デュアルな生活を選んだ方々に移住のきっかけや働き方についてお話を伺いました。

池田 敬之さん、池田 幸子さん(「Osteria della Capanna」オーナー)
移住:2016年 店舗オープン:2019年



一面に広がる空と海。ひっそりと佇む完全予約制の一軒家レストラン「Osteria della Capanna(オステリア・デッラ・カパンナ)」を2019年にオープンした池田さん夫妻は、2016年に淡路島に移住。物件探しに苦労した末、理想の場所に辿り着きました。

料理担当の敬之さんは、高校生の時に地元にあったイタリアンレストランでイタリア料理の美味しさに感銘を受け、26歳でイタリアへ。イタリア国内を5年かけて転々と回りながら修業し帰国。大阪の天満のイタリアンで働いているときに、奥さまの幸子さんと出会います。

その後、二人で独立し、ホールとワインは幸子さんが担当に。兵庫県の武庫之荘で5年、芦屋で4年、小さなお店を営みながら、敬之さんは狩猟免許も取得。 「イタリアには、ミシュランの星を取るようなお店が地方にもありました。畑がお店の近くにあって、地産地消も当たり前のように浸透していて。当時は日本にもそういうお店はまだ少なかったのですが、自分もいつかそうしたいと思っていました」

芦屋時代のお客さまから「こんなに近いのに、橋を渡るだけで旅行気分が味わえる」と、淡路島の話は耳にしていたり、食材として魚貝類や鳴門オレンジなどは当時から使っていたりしたことが淡路島の候補地になるきっかけに。

もしこれから飲食店をしたい人へアドバイスがあるとしたら、と聞いてみると「不動産屋さん任せだけではなく、自分たちでも動けるかどうかで大きく違ってくると思います。希望の立地の空き家を自力で回って探しては、お手紙を書いてということを繰り返し、ようやく出会えました」とのこと。

自分で獲って来たジビエ、地場の鮮魚、隣の畑で育てた野菜、飼っている鶏の卵、敷地内のビニールハウスのパッションフルーツ…。池田さんの提供する一皿はどれも、新鮮な素材に対する思いやりが伝わってくる。良さを尊重し仕事をしすぎないバランスが絶妙で、それでいて驚きと感動も味わえる。

「もちろん自分で全て賄えはしないので、満足できる食材が一通りそろうことがここにする最後の決め手になりました。物件探しは本当に大変でしたが、海を眼下に臨み、畑もある。集落の人たちもすごく穏やかで優しい。最終的にこの場所に巡り合えて満足しています」

URLなど
Osteria della Capanna(オステリア・デッラ・カパンナ)
営業日:金・土・日・月(月はランチのみ)
完全予約制。料理はおまかせコースのみ昼3,500円夜6,500円
電話:090-9257-9949

Facebook:https://www.facebook.com/osteriadellacapanna/
Instagram:https://www.instagram.com/osteria_della_capanna/