島くらし淡路

淡路島ローカル情報CO TO CO

こ  と  こ

おしごとインタビューvol.1 淡路麺業株式会社 藤本雄太さん

島くらし淡路 おしごとインタビューvol.1
淡路麺業株式会社 事業推進部
藤本 雄太さん

東京から淡路市に移住し、2021年で創業112周年となる淡路島の老舗企業「淡路麺業」に転職した藤本さんに、転職までの経緯とその後の実情や、淡路麺業でのお仕事と求人についてお話を伺ってきました。

島外にも面接に通った日々

ライター時友(以下、時友):藤本さんには以前、移住の経緯についてもお話を伺いましたが、今回は転職について詳しく聞かせてもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。早速ですが、移住するにあたってどんな風に転職活動を始めたのか教えてもらえますか?

藤本さん(以下、敬称略):まず、大手転職エージェント4社くらいに登録しましたね。登録のための面接などはなくて、登録手続きはすべてWebで完結しました。

そもそも、東京で勤めていた会社の育休中に移住して、会社の関西支部に復帰するつもりでした。でもそれが叶わないことが分かり、それでも淡路島に住みたかったので退職の道を選び、移住後に転職活動をスタートしたという移住と転職活動の順番が通常と逆なのですが(笑)。

時友:確かに企業就職を目指される方には珍しいケースですね(笑)。島外の会社も候補に入れていたのですか?

藤本さん:最初の頃は入れていました。就職活動の初期は、東京時代と変わらない年収を維持できて、かつ淡路島から通える企業と淡路島島内の企業と、その2種類で候補を絞っていたので、そうなるとやはり島外は大阪になるんですよね。島外は3~4社、島内は2~3社、エージェントに紹介してもらって面接に行きました。大阪の梅田にも面接に行きましたが、東浦に住んでいるので面接に島外に出るのが楽でよかったなと思いました。

転職の決め手は、商品への確信

時友:でも結果的に島内の企業にされたわけですよね。決め手は何だったのですか?

藤本:パスタが衝撃的にうまかったのと、社長の熱意ですかね。ご縁も感じましたし。

時友:移住の決め手も玉ねぎが美味しかったからでしたよね。藤本さんらしいですが、社長の熱意に触れる瞬間があったんですね。ご縁もあったんですか?

藤本:島内に美味しいピザ屋があるキャンプ場があるんですが、そこに家族で転職活動中に遊びに行っていたんですね。そこで同じように子連れのファミリーが来ていて、子どもをトランポリンで遊ばせながら父親同士世間話していたんです。「最近移住してきたんですよー」みたいな感じで。相手は地元の方で。その後、淡路麺業さんに面接に行くんですけど、出てきた社長さんがその人だったという…

時友:それはびっくりしますね…

藤本:しかも面接のときに自ら社内キッチンでパスタを作ってくれて、何度も言いますがそれが衝撃が走るくらい美味しくて。これなら自信を持って売れるし、せっかく移住したからには島内の企業に協力したいという気持ちもあったので、決めました。

藤本さんの一番のおすすめはわさびクリームを使ったメニューとのこと

そもそも淡路麵業とは?!

時友:淡路麺業さんがどんな会社か教えてもらえますか?

藤本:創業は1909年で、うどん専業メーカーでスタートした企業です。明石海峡大橋ができて、島外からより安い麺が流通するようになり、うどん事業の厳しい先行きを見越し、生パスタ事業に大きく舵を切り替えたのは2007年のこと。うどんに代わる事業を模索する中でたどり着いたのが生パスタでした。「うどんやそば、ラーメンは生麺が主流なのになぜパスタは乾麺が主流なのか?」という疑問を抱き、100年以上の麺づくりのノウハウを活かして本当においしい生パスタを提供できるのではと考え、現在は生パスタの製造と卸をメインに据えています。また生パスタを販売するだけでなく、ラボと呼ばれる社内のキッチンスタジオで調理講習会を実施したり、それぞれの生パスタに合ったレシピを提供したりと繁盛サポートも充実しています。そうした取り組みが評価され、現在の取引先は有名ホテルや有名シェフのレストランからファミリーレストランまで多岐に渡り、全国約3,000店舗まで広がっています。

時友:東京にも拠点があるんですよね?

藤本:はい、キッチンスタジオがあって、営業がいます。

時友:藤本さんは今どんなお仕事をしているんですか? 

藤本:事業推進部という部署なのですが、経理以外すべての総務と採用を含めた人事を担当しています。

転職して驚かされた組織体制

時友:実際に就職してみて、どうでしたか? 想定外のこととかありましたか?

藤本:入社前に研修もしてくれて、しかもこちらは子どもが生まれたばかりだったので時間も融通してくれて助かりましたね。入社して大変だったのはひとつですかね。僕は大企業経験しかなくて縦割り組織で自分の部署の仕事だけしてきたので、事業推進部とはいっても、本当に人手が足りないときは皿洗いにも行くし、製造の手伝いもする、正直最初は戸惑いました。

でも、大きい会社だと味わえない横のつながりやコミュニケーションの大切さに気付けたのが良かったですね。逆に自分の部署が採用などで大変なときにも、他部署の人が手伝ってくれますし。

あと、社長との距離が本当に近い! これは驚きでしたね。大きい会社だと、社長と一言も話すことなく定年を迎えることは普通です。ここでは社長と社員が毎日話します。製造の現場にも社長が声を掛けて話を聞きますし、僕が入社した時にはすでに社内にチャットシステムが導入されていて、そこに社長も入っているのでクレーム、現状の課題、提案などもその場で社長が拾ってくれますし、なんなら決裁までしてくれるのでスピード感が半端ないです。いいことは積極的に採用してくれる社長なので、やりがいもあります。

地方の中小企業にはよくあると思うのですが、データで残す文化がまだ浸透していなかったので、入社後にそこを担えたのもよかったです。大都市の企業で働いていた人には、こういう活躍の場はまだまだあるのじゃないかなとも思いますし、弊社のように風通しがいい企業は、若くてやる気のある人にはもってこいだと感じます。いい提案に年齢関係ないですからね。

年収以上に得られたもの

時友:収入面ではどうですか? そのあたりの本音も聞かせてください。

藤本:はい、東京で働いていた頃に比べたら結構、下がりました。でも、強がりじゃなく、それ以上のものを手にできていますね。

時友:具体的には?

藤本:まず、通勤のストレスがゼロ。今は車通勤で片道20分弱のドライブですが、2年経ってもまだこの通勤時間の景色に飽きません。朝陽が降り注ぐ海、しかもその表情は毎日違う。ゼロどころか完全にプラスですね。信号も10個もなく、ほぼ止まらず、渋滞もありません。帰りは月の光の道が海にできるじゃないですか。アニメとか映画で見たことはあっても、ホンモノをみたのは初めてだったのでいまだに満月の時は感動してしまいます。ゼロというよりむしろプラスですよね。もう、あの満員電車通勤時代には戻れないです。

より穏やかに、よりパワフルになった島暮らし

時友:転職して変わったなと思う事ってなにかありますか?

藤本:妻には「より、穏やかになった」と言われますね。毎日、海と山を見て暮らしているからかな、と思います。

時友:車に釣り竿が乗っていましたね…

藤本:そうなんですよ、趣味ができたのも大きいですね。近所のおじさんに「淡路島にいて釣りをやらないのは損だぞ」と連れて行ってもらったのがきっかけで、釣りにハマっています。昔は魚に触るのも苦手だったんですけど、今では釣ったその場でさばけるようにまでなりました。休みの日には早朝に釣りに行って、子どもたちが起きる頃には食卓に朝ごはんとして旬の魚が並びます。野菜はもらうし、魚は釣れるし、家で食べられるご飯のレベルが高くて、外食はあまりしません。だから年収が下がっても辛い思いしていないんですよね。鯖の刺身とかこっちに来て初めて食べました。昼休みに会社の近所の漁港で釣りをすることもありますよ。

東京時代も趣味はありましたけど、休日にこんなにのめりこめるまでのパワーが残っていなかったな。今の方が、仕事もプライベートも精力的に動けていますね。

海の見える会議室はキッチン付き。商談では目の前でパスタの調理もする

島内にも職はある。まずは地元の人に相談を。

時友:最後に、移住を検討していて、特に島内で転職活動をしようと思っている人に何か伝えたいことがあれば教えてください。

藤本:そうですね、島内の人たちに相談をすることが一番大事だと思います。転職サイトやWeb上の求人情報などに出ていない案件もたくさんあるのが実情です。島内の就職イベントをチェックしてほしいですし、並行して商工会に問い合わせることも必須ですね。職種にこだわらなければ、職は想像以上にあります。最近よく耳にするのは建設業。本当に人手が足りていないみたいですし。もちろん、弊社でも募集しています。神戸の合同説明会に参加もしていますよ。ぜひ、興味がある人はお問い合わせください!!

島くらし淡路の堀内さんと、淡路島サインで記念撮影

【淡路麺業の求人について】

「20代前半が多い組織です。上長と直接話して仕事を動かせる、若手が活躍できる場所だと思います。受け身だとできることが限られてしまいますが、自分で物事を進められる人なには楽しくてしょうがないと思います」(人事担当:藤本さんより)

淡路麺業のサイトはこちら

本社の横に直営レストラン「PASTA FRESCA DAN-MEN(パスタ フレスカ ダンメン)」が。

=淡路麺業株式会社=
ホームページ 
インスタグラム
フェイスブック

 

ライター
時友 真理子

2016年に東京から淡路市に移住。1児の母。ライターをしながら、polarity therapyとCraniosacral therapyの修行に励む日々を送っている。