島くらし淡路

           

島ではたらくvol.3
島でもらった縁を大事に育てたい

島ではたらくインタビューの3回目は藤本さんのご一家です。
藤本 雄太さん(島内の製造業へ転職)
梨沙さん(島内企業で事務職パート)
玲雄くん(6歳)
梨心ちゃん(2歳)
移住した時期:2018年10月

「淡路島の玉ねぎに惚れて移住しました」こう笑って話す藤本さんご夫婦は、お二人とも生まれも育ちも東京。特に東京の暮らしに不満があったわけでもなく、マンションも購入し、2年待ってようやく保育所も見つかり、ずっと東京で生きて行こうと考えていたとか。

「たまたま仕事で通った神保町で淡路島の移住のイベントをやっていて。それまで淡路島の存在も知りませんでした。玉ねぎと冊子をお土産にもらい、電車の中で冊子を読みながら帰りました。”島”と聞くと超不便なイメージしかなかったのですが、冊子を読みながらその考えがことごとく覆されて」

驚いた雄太さんは帰るなり奥さまの梨沙さんに淡路島の話を熱く語ったと言います。しかも家に帰って玉ねぎを食べてみたら驚愕のおいしさ。こんなところに住むのもありなんじゃないかという思いが一気に頭の中を駆け巡ります。

「既にそのときに夫は淡路島に魅了されていました。その一か月後には東京駅で開催される移住者向けのイベントで『島くらし淡路』の堀内さんに話を聞きに行ってました。その次の時には私も付いて行って、実際に淡路島にも行きました。古民家に一泊して、堀内さんに車でいろいろな場所に連れて行ってもらったのを覚えています」

東京に戻ってから、淡路島不動産情報ネットワーク「AREIN」で良さそうな土地を発見。淡路島に行ったときに知り合った人が実際にその土地を見に行ってくれて、写真や地域の詳細も送ってくれた。

「そんなことまでしてくれるのかと、そのときはびっくりしました。そういう淡路島の人の良さも、移住の決め手になりました」

その後、土地を二回くらい見に来て購入を決断。建設は大手メーカーに頼むことにしたので、東京で打ち合わせをすることも可能だったそう。地鎮祭のタイミングで移住し、家が建つまでは兵庫県の仮住まい用の賃貸物件に4カ月住むことに。購入した物件からは徒歩30秒のところに住めることになり、住み始めてから1年以内に出れば敷金礼金ゼロという制度を利用。毎日窓から施工状況を見守りながら、移住生活がスタートしたといいます。

花さじきは家族でよく遊びに行くお気に入りの場所

雄太さんの仕事はというと、ちょうど育休取得中に移住となったため、移住後に関西圏で転職活動をスタート。転職サイトで神戸・大阪・島内とさがしているときに、島内のお出掛け先でたまたま今の会社の社長と出会い、意気投合。とんとん拍子で話が進み、島内に転職することに。

「転職活動時に、都市部へのアクセスの良さを実感しました。縁あって島内の同世代の社長が頑張る企業に就職でき、島の魅力を島外へ伝える一端を担うことは刺激にもなっています。自分だけでなく、やはりご縁で就職先が決まっている人が多いので、そういうご縁があって興味が持てたなら勇気を持って就職してみることもおすすめします」

梨沙さんも島内で事務職のパートをしながら、今では文章を書くという好きな仕事も少しずつ増やしている日々を過ごされています。

「引越しの時は、2人目子どもはまだお腹にいる頃でした。引越当日に始めて会うお隣さんが『大変だろうから』と温かいおこわを持って来てくれて。東京では近所の人に何かを頼むなんて難しかったけれど、こっちではそういうお付き合いができています。近所の人の見守り、声掛けがあることが有難いです」 ここは、島と言っても孤島ではなく、海を眺めて振り返れば山がある環境とAmazonも翌日届くような利便性を兼ね備えた場所。

「正直、世帯年収は下がりましたが、ご近所さんからのいただき物も多く、変わりなく暮らせています。思い切って行動してよかったと思っています」